みなさんは失神した経験ありますが?実は失神の原因の多くはこの「血管迷走神経反射(以下迷走神経反射)」という病気です。
おそらく聞いたことない病名だと思いますが、実はこの病気でした!という方多いと思います。私自身、ひどい腹痛だけで病院に行くのもどうなんだろう?と思っていましたが、勇気を持って診察してもらい病名を教えていただ来ました。私と同じ様に、腹痛だけで病院に行くのをためらったり、原因がわからなかったり、迷走神経反射の症状が辛すぎて途方に暮れている方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では「迷走神経反射」ってどんな病気?ということから、筆者の体験談を交えて心構えや対処を少しでもお伝えできればと思います。
本記事はこんな方にオススメ!
・失神したことがあるけど原因がわからない方
・病名は聞いたことあるけど対処がわからない方
・症状はないけどHSPや繊細さんの方
【経験談】失神に至るまでの経緯〜診察まで
私が初めて失神を経験したのは今から6年ほど前(2015年ごろ)でした。今でこそ迷走神経反射の自覚があるので「また来たか」と心構えができる余裕がありますが、当時は本当に焦りました。失神ということがあまりにも日常からかけ離れているため、どこか他人事だったと思います。まずはどの様な経緯で迷走神経反射と診断されたのかお伝えしようと思います。
初めての失神
私は胃腸が強い方ではなく、よくお腹を壊すことがありました。朝・昼・晩と特に決まった周期ではなく突発で壊すことが多かったと思います。
初めて失神を経験したのは朝方でした。当時はAM5:00ごろに腹痛で目が覚めてしまい、こんな時間に腹痛なんてついてないなくらいに思っていました。いつも通りトイレにこもるとすぐに腹痛が止みます。あれ?と思いまたベッドへ。しばらくしてまた腹痛。さっきよりも痛みが大きくなりすぐさまトイレへ。そこからは腹痛が徐々に大きくなる波に襲われました。
そしてピークを迎える頃には大量の冷や汗と、視界がどんどん狭くなり、焦って呼吸もろくにできない状態に。お腹を下して全て出し(汚くてごめんなさい笑)、フワフワした状態で水を飲みに行こうと立ち上がった瞬間に意識を失いました。
意識を失った時間は短かったと思います。ですが、倒れた時の打ちどころが悪く、頭を壁の角にぶつけ流血。触っただけで手が血だらけになる程です。流石にまずいと思い救急車を呼び、計7針縫いました。
これが私が最初に経験した失神です。
定期的に襲ってくる凄まじい腹痛と冷や汗
その後今に至るまで、幸い失神には至っておりません。が、先ほどの症状である①大量の冷や汗、②視界が狭く白くなる、この症状を伴う激しい腹痛は半年に1度ほど発症したことを覚えております。
症状がひどくなったのは今年(2022年)に入ってからです。仕事も非常に忙しく、睡眠時間もろくに確保できないまま働きづめでした。そして皆さんが聞いたことあるかもしれませんが、私はHSP(繊細さんとも呼ばれてますね)という特性の性格で外からの刺激に非常に過敏に反応してしまうんです。光・音・他人の言動全てがストレスに繋がってしまうので、人一倍ストレスの溜まり方が早いんです。それもあって心身ともに疲弊していたのだと思います。
胃や大腸の辺りが常に痛み、排便も緩く、1,2週に1度襲ってくる迷走神経反射の症状。それは地獄の様でした。これは同じ症状を経験したことがある方しかわからないと思います。
想像しただけでゾッとしませんか??
今考えても2度と経験したくない時期です。
初めて病気だと知りかかりつけ医へ
過去に病院に行ったことがありましたが、その時は腹痛に注目され下された病名は「過敏性腸症候群」。ストレス等でお腹た痛くなる日本人の20%程度がかかっている割とメジャーな病気です。
ですが流石に1,2週間に1度も冷や汗・視界が狭まるを伴う腹痛はおかしいなぁと思っていました。診てもらってもその場では絶対に再現できませんし病院に行っていいものか悩みましたが、あの腹痛がまた来ると思うといてもたってもいられず病院へ。
冷や汗のこと、視界が狭まること、詳細を伝えて先生に診断されたのは「迷走神経反射」。この症状って病名があるんだ!ということと、理解してもらえたことで非常に安心しました。ただ、迷走神経反射を治すための薬や治療は特になく、うまく付き合っていく他ないと言われたことに動揺したのも事実です。
以上が私が「迷走神経反射」と診断されるまでの経緯です。
では次にどんな症状なのかを説明していきましょう!
迷走神経反射の症状
なんだか漢字の羅列で難しい病名です。まずはどんな症状か見ていきましょう!
迷走神経反射(血管迷走神経反射)とは、長時間の立位や座位、強い痛み、疲れ、ストレスなどをきっかけとして生じる心拍数の減少や血圧の低下のこと
Medical Note様記事より引用
そういえば小学校のころ、校長先生の挨拶でクラクラした記憶がありました。まさにこの症状も迷走神経反射の一つだったんですね。きっかけは色々ある様です。私の場合は「腹痛による強い痛み」です。逆に言うと、それ以外のきっかけから迷走神経反射が発症したことはありません。
では次になぜ迷走神経反射が起こるのかを調べていきましょう!
迷走神経反射のメカニズム
そもそも迷走神経反射とは脳が貧血状態になることです。なぜ起こるのか、それは体の中の迷走神経が反射的に働いてしまい、脈拍・血圧が低下しすることによって脳貧血に繋がってくるんですね。
そもそも迷走神経ってなんでしょう。
迷走神経(めいそうしんけい)とは、感覚神経・運動神経の一つである。延髄から出ており、嚥下運動や声帯の運動、耳介後方の感覚などに関係する。脳神経でありながら、体内で多数枝分れして複雑な経路をとり、胸腔内から腹腔内にまで広く分布している。
看護roo様記事より引用
難しい言葉がたくさん並んでますね。私も専門的な知識があるわけではないのですが、簡単に言うと迷走神経は12ある脳神経のうちの一つで副交感神経の代表的な神経くらい覚えておいて良いでしょう。機能面から言うと心拍数の調整や胃腸の運動に大きく関わっている様です。
人間は交感神経と副交感神経からなる自律神経によって支配されています。それぞれの役割は、交感神経:活動的・興奮状態、副交感神経:リラックス状態といった人間の状態を作り出す、いわば「アクセル」と「ブレーキ」の関係です。上図にもある様に迷走神経は副交感神経の一つですので、迷走神経が刺激されるとリラックス状態になるんですね。
迷走神経が反射的に刺激されると急激に心拍が低下したり血圧が低下し、脳に血液がいかなくなってしまい意識を保つことが困難になってしまうんです。結果的に失神してしまったり、失神しそうになったりするんですね。
さまざまなきっかけから自律神経のバランスが崩れる⇨迷走神経が反射的に刺激される⇨血圧・心拍が低下⇨眩暈・ふらつき・失神等の症状が誘発
腹痛による迷走神経反射 個人的な対策
それではいよいよあの地獄の腹痛をどうやって乗り越えるのか、私なりの対処方法をお伝えします。とは言っても大した方法ではないと思いますが・・・。その点ご容赦ください!
何よりこの腹痛自体はあなただけに起こるものではないと言うことがわかると気のもち様も変わってくると思います。
トイレに駆け込む前に
私の経験上、腹痛がありすぐに迷走神経反射の症状が出ることはなかったです。じわじわ腹痛があり、一旦落ち着く。また腹痛があり、また落ち着く。その繰り返しで徐々に腹痛が大きくなっていきピークに達する頃に迷走神経反射が発症します。
ですので、腹痛が始まったらすぐにトイレへGO!ではなく、最低限必要なものを持ち込みましょう!私がいつも持ち込むものは2つです。普通なんですがごめんなさい!ただ、とても大切なものなんですよ。夜中に腹痛に襲われても確実に持っていきましょう。
500mlの常温水
おそらく長時間トイレに篭ることになると思います。そしてお腹は間違いなく下すでしょう。そうすると脱水状態に近くなっていきます。お腹痛い中、水を取りに行くのは本当に大変ですし、危険です。脱水のまま急に立ち上がるとそれこそ倒れてしまいます。なので間違いなくトイレには水を持ち込みましょう。腹痛がおさまったら少し飲むを繰り返し脱水にはならない様に気をつけましょうね!
スマホ
トイレで万一のことがあった場合の連絡手段は間違いなく持っておくべきです。連絡はなかなか難しいかもしれませんが、無いよりはましですよね。最近のスマートウォッチは転倒を検知して連絡をしてくれるものもありますから、何かしらの通信手段は持っていきましょう。
500mlの常温水とスマホ(通信手段)は持ち込もう!
準備ができたらいざ戦いの時です。あの地獄の腹痛に打ち勝つことはできませんが、うまく耐え忍ぶ私なりの方法をお伝えしたいと思います。
迷走神経反射の症状がでてきたら
徐々に腹痛が強くなってきたら迷走神経反射の症状も出てくるでしょう。尋常じゃない腹痛+迷走神経反射で地獄の様な苦しさを味わうことになると思います。これ本当に辛いんです。辛いですが気をつけておけば、ほんの少しだけ楽になることもあると思います。ここでは3つお伝えしますね!
意識が薄く視界が狭くなったら床に寝る
トイレだろうがなんだろうが関係ありません!ここで頑張って座ってても辛いだけです。絶対に横になりましょう。前の章でも説明した様に、血圧・心拍数が低くなり物理的に脳に血がいかなくなってしまうんです。なのでできるだけ横になり、脳に血を流す様にしましょうね。トイレで寝ることに非常に抵抗があるかもしれませんが、私はいつものことと割り切ってすぐさま横になります。
深く深呼吸する
この激しい腹痛と迷走神経反射の症状で力を入れて我慢しようとしてしまいませんか?その時に呼吸は非常に浅い、もしくはしていないと思います。そうすると脳に酸素がいかずどんどん悪い方へ行ってしまいますよね。なので深く息を吸って吐いてを繰り返してください。姿勢は頭をなるべく下げて、もしくは横になってでもOKです。意識的に深く深呼吸することで息苦しさがなくなるはずです。
手や足を動かす
グーパーを繰り返したり、少し動かしてみたり、「血液を流す」ことを意識しています。うまくできているかはわかりませんが笑。何もせずじっとしているよりかは、気が紛れたり物理的にも良かったりすることがあるかなと思いやっています。
①無理せず床に寝る ②深く深呼吸する ③手や足を動かす
きっと他にも皆さんいろんな方法があるかと思います。これ効きました!と言うのがあれば是非是非教えてください。また今回紹介したものは完全に私の主観でありますので、効果は個人差があると思います。あの地獄の腹痛を少しでも和らげたり、最悪の事態に備えられればと思い書かせていただきました。
迷走神経反射を予防する方法はあるの?
正直これに関しては個人的にはないのではないかと思っております。迷走神経反射を予防・改善する薬をいただいたことがないです。ただし、自律神経の一部であることから、自律神経を整えることは非常に大切になってくるのではないかと感じています。私自身大切にしていることが2つあります。どちらも予防として実践できると思いますので少しずつ日常生活に取り入れてみてください。
朝ウォーキングで良質な睡眠を
健康には欠かせないですね。適度に運動することで基礎体力がアップするのと同時に自律神経の乱れも解消してくれます。おすすめは朝のウォーキングです。これには明確な理由があります。朝というのがポイントで、朝日を浴びることで「セロトニン」という脳内物質が分泌されます。この物質が非常に大切で、セロトニンから夜には「メラトニン」という脳内物質が作り出されます。このメラトニンが眠気を誘発し、自然な眠りにつくことができます。睡眠時間が短くなると自律神経が乱れますので、朝ウォーキング+睡眠で自律神経を整えていきましょう!
サウナはおすすめ!!
私サウナが大好きでよく行きます。小さい頃は暑いのを我慢する苦行くらいにしか思っていませんでしたが、実は自律神経を整える非常に素晴らしい健康法なんです。まずサウナといってもサウナに入って終わりでは意味ありません。「サウナ⇨水風呂⇨外気浴」これを3回繰り返すことで深いリラックス効果があるとされています。サウナ・水風呂で交感神経を刺激し、外気浴で副交感神経を刺激する。これを繰り返すことで自律神経を正常な働きにし整っていくというわけですね!
サウナは江戸時代にもあったとされています。海外ではフィンランドが有名です。フィンランドは世界幸福度ランキング第1位の国です。サウナだけではありませんが、要因の1つとしては十分に考えられると思います。
①朝ウォーキング ②サウナ この2つを日常生活に取り入れてみよう!
最後に
いかがでしたでしょうか。あの地獄の腹痛にはこんなメカニズムだったんですね。根本的な対策は難しいかもしれませんが、日常生活に「自律神経を整える」ことと迷走神経反射が発症した時に「慌てず身を守る行動をとる」ことが非常に大切だと改めて感じました。
あの苦しみを味わったことがある方でないと共感は難しいかもしれませんが、今までより少しでも楽に乗り越えられることを願って本記事の内容を紹介させていただきました。
上手に迷走神経反射と付き合っていきましょう!